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さて、前回 IAS36 減損(1)の続きです。CGUが設定出来たところで、各CGUの時価算定について見ていきましょう。

(2)時価:回収可能価額の算定

(a)「処分コスト控除後の公正価値」か「使用価値」か

前回(1)のCGUの設定により、それぞれのCGUが定義できるとともに、将来CFが算定できたところまで行ったとしましょう。それぞれのCGUについて時価を算定していきます。
ここで、IFRSでは、回収可能価額と帳簿価額を比較することになりますが、回収可能価額は「処分コスト控除後の公正価値」か「使用価値」のいずれか一方とされています。
「処分コスト控除後の公正価値の測定」を計算することは、あまり実務では多くないかもしれません。というのも、上記CGUの単位を設定するときに、予算や実績数値が把握されている、経営者の管理単位で設定しているため、処分して時価が算定できる場合、CGUをくくっていないためです。一方で、個別資産で減損テストの単位を設定している場合には、それは通常、売却できる市場価格があるケースでしょう。あまり思い浮かびませんが、このような場合では「処分コスト控除後の公正価値」を算定する形になるでしょうが、個人的には「使用価値」を用いるパターンが多いと思います。

使用価値を算定する際、ようやくCGUのキャッシュフローを算定することになると思います。この場合、巷でよく利用されるDCFのスプレッドシートを使って計算する形になると思われます。監査法人によってはシートを提供してもらえることもあるかもしれません。

将来キャッシュの予測は、5年を上限すると基準で定めらています。(IAS36.33)中期経営計画を5カ年ベースで作っていれば、その中計の予算を各社ベースで持たせていると思いますので、それを使うことが多いでしょう。5年超は逓増率を用いますが、現在の成長性では0~2%ということでしょうか、、日銀は2%の経済成長率をターゲットとしていますので、ここらへんで成長率を用いていればマクロ情報として根拠が示せますね。一方で、もうすこしアグレッシブに5年超を伸ばしたい場合、その業界の成長率など、ロジックを駆使し逓増率を示すことになります。

ここでの逓増率の設定は、使用価値の算定を大きく動かすことになるので、会社と監査法人とのせめぎあいが予想されます。のれんの評価減がでると大きく最終利益に影響しますから、ここは監査法人と強く交渉する場面になるでしょう。監査法人もバリュエーションのプロフェッショナルを当ててくるため、評価者は自分の算定根拠を理路整然と説得する必要があります。見積もりの点が大きく損益に影響を与える事例です。

時価算定は続いて割引率を求める必要があります。続きは(b)割引率の設定で検討していきます。

 


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